カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

カブトムシの寿命が尽きる時期(カブトムシの寿命は、樹液の量に左右され、樹液の量は日照時間の長さに左右されるため、寿命が尽きる時期は羽化した時期(初夏、仲夏、晩夏)によって決まる。今年は記録的な猛暑の影響もあったようだ。飼育中の4匹のカブトムシも、お盆に入り2匹の寿命が尽きた)

1.カブトムシの寿命が尽きる時期

【お盆休み番外編】で「小さなカブトムシほど初夏に出現し、大きなカブトムシほど晩夏に出現する傾向がある」と述べた。それでは、カブトムシの大きさの違いによって「カブトムシの寿命が尽きる時期」に違いがあるのだろうか?正確には、カブトムシが羽化した時期(初夏(6月上旬頃)、仲夏(7月上旬頃)、晩夏(8月上旬頃))によって「カブトムシの寿命が尽きる時期」は決まる。カブトムシの寿命は、クヌギやコナラ等の広葉樹から出ている樹液の量に左右され、樹液の量は日照時間の長さに左右されるからだ。 

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(1)初夏(6月上旬頃)に羽化した極少ない小型のカブトムシは、子供たちの夏休みが始まった頃(7月中旬頃)をピークに徐々に寿命が尽きていく。

「一年で一番昼の時間が長い日」は夏至(6/21)だが、日本ではまだ梅雨の時期に当たるため、実は日照時間がまだまだ短い季節だ。日照時間の長さがピークを迎え、樹液の生成に必要な樹木の光合成が最も活発になるのは梅雨が明ける7月以降だ。

樹液があまり出ていない梅雨の時期(6月)によく見かけるクワガタは、コクワガタや小さなノコギリクワガタなど小型のクワガタが多い。初夏(6月上旬頃)に羽化した極少ないカブトムシも、小型だからこそ、樹液があまり出ていない梅雨の時期でも十分に生存できるのだろう。このように初夏(6月上旬頃)に羽化した極少ない小型のカブトムシは、大半の普通のカブトムシより早めに羽化するため、子供たちの夏休みが始まった頃(7月中旬頃)をピークに徐々に寿命が尽きていく。

「子供が夏休みに入った頃にペットショップ等で購入したカブトムシがすぐ死んでしまった」という話をよく聞くが、その大半は初夏(6月上旬頃)に羽化した個体ではないかと思う。

(2)仲夏(7月上旬頃)に羽化した大半の普通のカブトムシは、お盆(8月中旬頃)をピークに徐々に寿命が尽きていく。

日照時間の長さがピークを迎え、樹液の生成に必要な樹木の光合成が最も活発になるのは梅雨が明ける7月以降だ。だから、大半の普通のカブトムシは仲夏(7月上旬頃)に羽化し、ちょうど子供たちの夏休みが始まった頃に頻繁に姿を現す。しかし、夏至(6/21)以降、既に昼の時間は一日一日と短くなっているため、お盆(8月中旬頃)に入る頃には日照時間も一日一日と短くなる。今年もお盆が終わった8月17日以降、東京の最高気温は3日連続で30度以下になり、いくぶん涼しくなった。これから秋に向かって、日照時間が一日一日と短くなるのに比例して、クヌギやコナラ等の樹木から出る樹液の出る勢いが一日一日と弱まる。だから、仲夏(7月上旬頃)に羽化した大半の普通のカブトムシはお盆(8月中旬頃)をピークに徐々に寿命が尽きていく。

(3)晩夏(8月上旬頃)に羽化した極少ない大型のカブトムシも、秋の彼岸の頃(9月中旬頃)には寿命が尽きていく。

「暑さ寒さも彼岸まで」というように、例年、暑さは秋の彼岸の頃(今年は9/20~9/26)まで続く。しかし、秋の彼岸が過ぎるとすっかり涼しくなる。秋分(9/23)を境に昼夜の時間の長さが逆転するためだ。日照時間もぐっと下がるため、クヌギやコナラ等の樹木から出る樹液も枯れる。だから、お盆に実家の庭先に現れたような極少ない大型のカブトムシも、秋の彼岸の頃には寿命が尽きていく。

2.記録的な猛暑は、カブトムシの寿命にも影響を与える。

今年の夏の記録的な猛暑は、カブトムシの寿命にも影響を与えたようだ。

(1)今年は関東甲信地方で観測史上最も早い梅雨明け

関東甲信、過去もっとも早い梅雨明け 猛暑の予想 (写真=共同) :日本経済新聞

気象庁は29日、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。6月の梅雨明けは記録がある1951年以降でもっとも早く、梅雨の短さとしては78年と並ぶタイ記録だ』

(2)カブトムシ観察施設が閉園前倒し 猛暑で3000匹衰弱死

神戸新聞NEXT|総合|カブトムシ観察施設が閉園前倒し 猛暑で3000匹衰弱死

兵庫県市川町の野外活動施設内にある夏季限定のカブトムシ観察施設「かぶとむしど~む」が、猛暑の影響でカブトムシの衰弱死が相次いだことを受け、予定より3日早く、16日で今季の営業を終えた。7月以降、累計で3千匹近くが死んで残り数十匹となり、外部から仕入れて補充する予定だったが、調達できなくなったという。19日までは300円の入園料を徴収せず、無料開放する』

3.飼育中の4匹のカブトムシも、お盆に入り、2匹の寿命が尽きた。

(1)お盆の最中の8月15日「羽化不全のメスの寿命が尽きた」と自宅から連絡が入った。羽化後33日目だった。

8月9日のブログで「羽化不全のメスの左足2本に「鍵爪の欠損」が見つかった。「鍵爪の欠損」は寿命が近づいていることを意味する」と書いた。だから、寿命が近づいていると予想はしていたが、その6日後の8月15日に「羽化不全のメスの寿命が尽きた」と自宅から連絡が入った。羽化後33日目だった。

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(8月9日に「鍵爪の欠損」が見つかった羽化不全のメス。お盆の最中の8月15日に寿命が尽きた)

 (2)お盆が過ぎた8月19日、3匹目のオスの寿命が尽きた。羽化後37日目だった。お盆前の日中の暑さによる衰弱が原因と考えられる。

7月28日のブログ「カブトムシの毎日の健康診断法」で「カブトムシが健康かどうかの判断基準」の一つとして「日中は、マットの下に潜っていること」と述べた。これまで、オスは3匹共、日中はマットの中に潜っていた。

しかし、8月15日に「3匹目のオスだけは、日中なのにマットの中に潜らなかった」と自宅から連絡が入った。念のため、この個体の飼育ケースだけ室内へ移してもらったが、その4日後の8月19日に寿命が尽きた。羽化後37日目だった。

鍵爪の欠損は無かったが「8月15日以降、日中なのにマットの中に潜らなかった」こと、「日中、昆虫ゼリーを食べている状態で寿命が尽きた」ことから、お盆前の日中の暑さによる衰弱が原因と考えられる。

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(8月15日以降「日中なのにマットの中に潜らなかった」3匹目のオス。お盆が過ぎた8月19日に「日中、昆虫ゼリーを食べている状態」で寿命が尽きた)