カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

猫とカブトムシ⑥「”Dr.ネコ”による”秋のカブトムシ”の健康診断」(カブト達「バナナで元気になりました!」Dr.ネコ「バナナにはいろいろな糖質が含まれていて、体内に吸収される時間がそれぞれ違うから、エネルギー補給が長時間持続するの。それと、樹液の白い部分。あれはタンパク質なんだけど、バナナにも沢山含まれてるの。”鍵爪の欠損”は無さそうね。あなた達の体、バナナまみれだけど・・」カブト達「そんなバナナ・・」)

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(近所の図書館で見つけた「樹液」の本。非常に貴重な本だと思います)

1.「秋分」と「光周期」

(1)自然は、「秋分」(9/23)に照準を合わせ、真夏(8月)の「日平均気温」を正確に「年平均気温」に戻そうとする。

よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、例年、夏の暑さは秋の彼岸の頃まで続く(今年は9/20~9/26)。しかし、秋の彼岸が過ぎる頃にはすっかり涼しくなる。自然は、昼夜の長さが同じになる秋分(9/23)に照準を合わせ、真夏(8月)の「日平均気温」を正確に「年平均気温」に戻そうとする。

①例えば、東京の平年気温(1981~2010 年の30年平均値)で見ると、真夏(8月)の「日平均気温」(26.4℃)は、秋分に照準を合わせて11℃急降下し、秋の彼岸が過ぎる頃には「年平均気温」(15.4℃)に落ち着く。

②今年も、東京の真夏(8月)の「日平均気温」(28.1℃)は、秋分に照準を合わせて12.2℃急降下し、秋の彼岸の翌日(9/27)には15.9℃に落ち着いた。これは、平年気温(1981~2010 年の30年平均値)の「年平均気温」とほぼ同じ(15.9℃≒15.4℃)。見事というほかに言葉は見つからない。

 (2)自然は、「日長(光周期)」を手掛かりに、これから訪れる季節を、生物に正確に予測させる

秋分」(9/23)を境に昼夜の長さは逆転する。このように日長(光周期)は、年によって変わることなく正確に一年の周期で変化するため、季節を知るにはもっとも信頼のおける信号となる。

生物が日長(光周期)の季節的な変化に反応して物質代謝・発育・生殖・行動などを調節する性質を「光周性」という。例えば、動物の行動でよく知られているものに、鳥の渡り、魚の回遊、動物の毛変わり、昆虫の冬眠などがある。植物では花芽の形成、落葉、休眠などがある。生物は、日々の温度変化ではなく、より正確な日々の日長(光周期)の変化を手掛かりに、これから訪れる季節を予測する。

秋分(9/23)を過ぎると、昼夜の長さが逆転し、日照時間もぐっと下がる。そのため、クヌギやコナラ等の樹木は実を落とし、紅葉し、やがて落葉する。光合成によって生成される樹液は当然枯れ果てる。だから、晩夏になって初めて実家の庭先に現れるような大型のカブトムシも、秋の彼岸の頃には寿命が尽きていく。 

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秋分の日を境に、昼夜の長さが逆転したことを感じとるベランダのカブトムシ)

2.秋のカブトムシの寿命

(1)日長(光周期)の変化を手掛かりに、寿命が尽きるタイミングを推し量る

このように、自然は、「秋分」(9/23)に照準を合わせ、真夏(8月)の「日平均気温」を正確に「年平均気温」に戻そうとする。そして、自然は、「日長(光周期)」を手掛かりに、これから訪れる季節を生物に正確に予測させる。

自然界のカブトムシも、真夏(8月)の「日平均気温」が「年平均気温」に戻る前に、生殖・産卵を終える必要がある。そのため、昼夜の長さが逆転する「秋分」(9/23)を事前に予測する必要がある。日々の温度変化ではなく、より正確な日々の日長(光周期)の変化を手掛かりに、これから訪れる季節(樹液が枯れ、寿命が尽きるタイミング)を推し量る。

 ベランダ飼育の2匹のカブトムシも、日々の日長(光周期)の変化を手掛かりに、寿命が尽きるタイミングを推し量っていたのだろう。2匹共、9月中旬頃から急速に衰弱していった。

(2)秋分を境に、「秋のカブトムシの寿命」はいつ尽きてもおかしくない

今朝、1匹目オス(赤)が羽化後92日目を迎えた。2匹目オス(茶)も羽化後87日目を迎/えた。8/21ブログ「カブトムシの寿命が尽きる時期」で述べたように、3匹目オス(黒)は羽化後37日目で寿命が尽きた。4匹目メス(羽化不全)は羽化後33日目で寿命が尽きた。

先に寿命が尽きた2匹が短命だったので、その分、残りの2匹は長生きしているのかもしれない。敬老の日(9/17)を境に、エサを栄養価の高いバナナに切り替えた結果、延命しているのかもしれない。

しかし、既に、秋分(9/23)を境に、昼夜の長さは逆転している。秋が深まるにつれ、いつ寿命が尽きてもおかしくない。

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(下:一匹目オス(赤)羽化後92日目、上:二匹目オス(茶)羽化後87日目)

3.「Dr.ネコ」の優れた観察力 

2匹の猫(兄妹)のうち、白い方の猫(メス)は、非常い観察力が優れているため、「Dr.ネコ」と呼ばれることがある。

例:6/5、カブトムシの幼虫がマットの上に出ているのを教えてくれた。
例:6/20、カブトムシの幼虫が前蛹になったのを教えてくれた。
例:7/12、カブトムシの羽化したサナギの抜け殻を掘り出し教えてくれた。
例:7/20、カブトムシの成虫が脱走した事を教えてくれた。
例:8/9、カブトムシ(メス)に「鍵爪の欠損」があることを教えてくれた。

4.「Dr.ネコ」による「夏のカブトムシ」の健康診断(8/9)

8/9ブログ「台風一過のカブトムシの様子」  で述べたように、「Dr.ネコ」は、4匹目メス(羽化不全)の左足2本に「鍵爪の欠損」があることを教えてくれた(その6日後の8月15日に「羽化不全のメスの寿命が尽きた」と自宅から連絡が入った。羽化後33日目だった) 

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 (「Dr.ネコ」の目線の先。左側の2本の足に「鍵爪の欠損」が見つかった)

5.「Dr.ネコ」による「秋のカブトムシ」の健康診断(10/2)

敬老の日(9/17)を境に、エサを栄養価の高いバナナに切り替えた。その結果、1匹目オス(赤)は、コバエ防止用キッチンペーパーを破るほど体力が回復した。しかし、2匹目オス(茶)は、1匹目オス(赤)のように、体力が回復していない。どこか具合が悪いのだろうか?そこで、今回も「Dr.ネコ」に診てもらった。

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(カブト達「お久しぶりです。バナナで元気になりました!」)

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(Dr.ネコ「バナナにはいろいろな糖質が含まれていて、体内に吸収される時間がそれぞれ違うから、エネルギー補給が長時間持続するの」) 

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(Dr.ネコ「それと、樹液の白い部分。あれはタンパク質なんだけど、バナナにも沢山含まれてるの」)

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(Dr.ネコ「”鍵爪の欠損”は無さそうね。あなた達の体、バナナまみれだけど・・」)

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(カブト達「そんなバナナ・・」)

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(Dr.ネコの助言に従って、バナナまみれのカブト達をウエットティッシュで拭いてやると、2匹目オス(茶)の右後ろ足に「擦り傷」が見つかった) 

参考資料1:「旬の果物百科 バナナ(ばなな)の栄養価と効能」

バナナ(ばなな)の栄養価と効能:旬の果物百科

参考資料2:「樹液をめぐる昆虫たち」 

樹液をめぐる昆虫たち (わたしの昆虫記)

樹液をめぐる昆虫たち (わたしの昆虫記)