カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

【お盆休み番外編②】毎年お盆を迎える晩夏の頃から、実家の庭先に現れる大きなカブトムシの話(「広大な雑木林には居なかったカブトムシが、小さな雑木林で生息を始めた理由」)

前回述べた「実家の庭先に飛び込んで来た大きなカブトムシ(実測75ミリ)」は、お盆明け早々に、東京都心の知人宅へもらわれたようだ。当初、実家では近所の子供たちにあげようと思っていたが、近所の子供たちはお盆の最中にもっと大きなカブトムシを捕獲していたという。一方、東京都心の知人宅では、お盆前にペットショップで普通サイズのカブトムシを購入したが1日で死んでしまったという。やはり、「小さなカブトムシほど初夏に出現し、大きなカブトムシほど晩夏に出現する傾向」があるようだ。

ところで、気になるのは、大きなカブトムシ(実測75ミリ)の生息地だ。昔は、実家の近所でカブトムシを見ることは一度も無かったからだ。幼い頃から、カブトムシを採集するためには自転車で1時間以上かけて、もっと郊外の雑木林へ行くしかなかった。

1.大きなカブトムシ(実測75ミリ)の生息地は、東京駅から約20キロ離れた郊外の小さな雑木林

実家は、東京駅から約20キロ離れた郊外にある。だから、実家の近所にはまだ小さな雑木林が1つだけ残っている。雑木林と言っても、小さな児童公園の広さしかない。カブトムシやクワガタが好むクヌギやコナラ等の広葉樹もほんの数本しかない。しかし、毎年実家の庭先にやってくる大きなカブトムシの生息地が近所にあるとすれば、ここしかない。この雑木林は、もともと現在の100倍以上の広さがあった。1980年代後半から1990年代初頭のバブル時代に、打ちっぱなしのゴルフ練習場が建設され、この小さな雑木林だけが残った。

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(大きなカブトムシの生息地は、児童公園くらいの大きさの小さな雑木林)

2.昔の広大な雑木林には、カブトムシは居なかった

ゴルフ練習場が建設される前までは、現在の100倍以上の広さの雑木林が続いていた。クヌギやコナラ等の広葉樹も沢山あった。しかし、幼い頃から、その広大な雑木林で一度もカブトムシを見かけたことは無かった。近所の人達がその広大な雑木林でカブトムシを採集したという話を聞いたことも無かった。ましてや、カブトムシが民家の庭先に飛んできたという話も聞いたことが無かった。そもそも、昔の広大な雑木林は、大半が下は藪(やぶ)に覆われ、上は竹の葉に覆われた薄暗い雑木林だったため、「樹液を出す木」を見かけることはほとんど無かった。

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(お盆明け早々に、都心の知人宅へもらわれた実測75ミリのカブトムシ)

3.広大な雑木林には居なかったカブトムシが、小さな雑木林で生息を始めた理由

このように、実家やその周辺の民家の庭先に大きなカブトムシがやってくるようになったのは、ゴルフ練習場が建設されて、広大な雑木林が無くなった数年後からだ。他に変わった点は、ゴルフ練習場へ入るために歩道が車道へ拡張され、道沿いに残されたわずかな雑木林に絶え間なく日差しが入るようになったことだ。

恐らく、残されたわずかな雑木林に絶え間なく日差しが入るようになった結果、昔と違って、クヌギやコナラ等の広葉樹が、光合成を活発に行うようになったのだろう。その結果、甘い糖分を含む樹液を大量に放出するようになったと思われる。

このように、カブトムシの生息地に必要なのは、クヌギやコナラ等の樹木が沢山生い茂る広大な雑木林ではない。クヌギやコナラ等のほんの数本の広葉樹が、光合成を活発に行うことが出来る明るい環境だ。樹木が光合成によって甘い糖分を含む樹液を大量に作り、夏の間中、放出し続けるためには、それだけ強い太陽の光が不可欠なのだろう。