カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

カブトムシの餌場の秘密①(整備された都市部の公園ほどカブトムシが居ない理由「”樹木に穴を開ける害虫”が満遍なく駆除されるため”樹液を出す木”が無い。樹木を守りつつ、カブトムシが生息できる公園を作るなら、人工的に餌場を作るしかない」)

猫たちのために久しぶりにカブトムシを飼育して、ふと疑問に思ったことがある。

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整備された都市部の公園(総合公園や緑地公園)ほど、カブトムシやクワガタが居ないのは何故だろうか?(以下、「公園」とは、小さな児童公園ではなく、樹木が生い茂った総合公園や緑地公園)

整備された都市部の公園には、郊外の公園と同じように、沢山のクヌギやコナラ等の広葉樹が植えられているが、なぜ「樹液を出す木」をほとんど見かけないのだろうか?

1.郊外の公園では、「樹液を出す木」を何本も見つける事が出来る

郊外の公園では、毎年夏になると、クヌギやコナラ等の広葉樹の中から、「樹液を出す木」を何本も見つける事が出来る。昼間は、スズメバチやカミキリムシやカナブンや蝶や蛾が集まり、夜間はカブトムシやクワガタなどケンカが強い昆虫が集まる餌場だ。そうゆう場所は、昼夜を問わず、沢山の蚊が居て、多くの場合、人を容易に寄せ付けない藪(やぶ)の中にある。スズメバチと出くわすこともある。だから、公園と言っても、昆虫採集に行くときは、真夏にも関わらず、「長袖・長ズボン・虫よけスプレー」は必需品で「スズメバチが居たら即退散」の覚悟が必要だ。

2.整備された都市部の公園では、「樹液を出す木」を見つけるのが困難

一方、整備された都市部の公園にも、郊外の公園と同じように、沢山のクヌギやコナラ等の広葉樹が整然と植えられている。しかし、樹液を出す木はほとんど見かけない。綺麗な樹皮の木ばかりだ。カブトムシの餌場がないのだから、カブトムシやクワガタが居ないのも無理はない。

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3.そもそも、カブトムシの餌場はどうやって作られるのか?樹木はどうやって樹液を出すのだろうか?

 「樹木が自ら樹液を出す」のではない。「害虫が樹皮に穴を開け、穴を広げ、樹木から樹液を流出させる」のだ。「樹木に穴を開けて樹液を流出させる害虫」は、カミキリムシの幼虫やススメバチであり、「樹木の穴を広げて樹液を流出させる害虫」は、ボクトウガの幼虫やコウモリガの幼虫だ。樹木に穴が開いていなければ、ボクトウガの幼虫やコウモリガの幼虫は、そもそも穴に入ることが出来ないので、樹木の穴を広げることは出来ない。従って、一番最初に害虫駆除の対象となるのは、「樹木に穴を開ける害虫」であるカミキリムシの幼虫やススメバチだ。

4.「樹木に穴を開ける害虫」が満遍なく駆除されるため「樹液を出す木」が無い。

おそらく、整備された都市部の公園では、郊外の公園より、頻繁に、満遍なく「樹木に穴を開ける害虫」を駆除してしまうのだろう。その結果、「樹液を出す木」が少ないのだ。カブトムシの餌場が少ないのだから、カブトムシが居ないのも無理はない。

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5.都市部に「樹木を守りつつ、カブトムシが生息できる公園」を作る方法

それでは、都市部に「樹木を守りつつ、カブトムシが生息できる公園」を作ることは出来ないだろうか?

①郊外の公園の水準(「駆除漏れ有り」)まで駆除レベルを落とすことは困難

郊外の公園でカブトムシが生息できるのは、公園の敷地内に「駆除漏れ」の樹木が藪(やぶ)の中に隠れているからだ。そうゆう場所は、昼夜を問わず、沢山の蚊が居て、多くの場合、人を容易に寄せ付けない。スズメバチと出くわすこともある。そうゆう場所を人口の多い都市部の公園に設けるのは治安上・安全上の問題がある。また、「駆除漏れ」の害虫が、他の健康な樹木に移り、穴を開ける可能性も高い。

②「樹木を守りつつ、カブトムシが生息できる公園」を作るなら、人工的に餌場を作るしかない

そこで、「樹木を守りつつ、カブトムシが生息できる公園」を作るなら、人工的に餌場(「樹液を出す木」)を作るしかないだろう。例えば、公園全体の樹木に害虫駆除を施した後に、公園内の一番人通りの少ない場所で、クヌギの木を1本選び、「樹木に穴を開ける害虫(カミキリムシの幼虫やススメバチ)」の代わりに、人間が人工的に穴をあけ、その穴に「樹木の穴を広げて樹液を流出させる害虫(ボクトウガの幼虫やコウモリガの幼虫)」を入れ、樹液を出させるのだ。 

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