カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

猫とカブトムシ②(猫たちがカブトムシを襲わなかった理由(「猫のDNA調査」に基づく科学的視点から)「”ネコはありのままで完璧だった”と研究者、猫には他の動物と違った知性があった」)

「猫はカブトムシを襲ってしまうのでは?」その疑問に対し、前回は、「人類と猫」の歴史的視点から、考察してみた。今回は、「猫のDNA調査」に基づく科学的視点から、これを考察してみよう。

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1.前回の考察の要点(「人類と猫」の歴史的視点から)

昔から、猫は、「人間に教えられなくても」、人間の行動を観察して「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」を、その時代・その地域の人間の必要性に応じて判断してきた。今回、「人間に教えられなくても」、猫たちがカブトムシを襲わなかった理由も、カブトムシを世話する人間の行動を見て「カブトムシは敵ではなく仲間だ」と理解したのだろう。

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2.今回の考察の要点(「猫のDNA調査」に基づく科学的視点から)

それでは、なぜ、「人間に教えられなくても」、猫たちはカブトムシを世話する人間の行動を見ただけで「カブトムシは敵ではなく仲間だ」と理解できたのか?

猫は、他の動物と違って、「人間に教えられなくても」、トイレにしろ、食事にしろ、あらゆる面で、人間の生活に順応した行動をとる。人間が嫌な思いをすると、それを避ける行動をとる。猫は「人間にとって非常に手間のかからない動物」だ。猫には、他の動物と違って、人間の本心を汲み取り、人間が求めていることを察して行動する知性がある。だから、「人間に教えられなくても」、猫たちはカブトムシを世話する人間の行動を見ただけで「カブトムシは敵ではなく仲間だ」と理解できたのだろう。昨年、これを科学的に裏付けるDNA調査結果が発表された(「ネコはありのままで完璧だった」と研究者、ぶち柄の出現は中世 2017.06.21)。

ネコは自ら家畜化した、遺伝子ほぼ不変、最新研究 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト 

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 3.「ネコはありのままで完璧だった」と研究者、ぶち柄の出現は中世 2017.06.21

(1)「家畜化」とは、「人間に有益な特徴を際立たせるよう」に遺伝子レベルで変化させられる過程である。犬の祖先はオオカミ、豚の祖先はイノシシであり、遺伝子レベルで変化が存在する。
(2)しかし、猫には、人間と生活を始めた9000年前から、遺伝子レベルで変化が存在しなかった。猫の祖先は猫だった(「ネコはありのままで完璧だった」と研究者)。
(3)従って、猫は、他の動物とは違って、人間が教えて家畜化したのではなく、自ら学んで人と暮らす道を選んでいたことが明らかになった(「人間がネコを捕まえてきて檻に入れたわけではありません」「人間はネコが自ら家畜化するのを、ただ好きなようにさせておいただけ」と研究者。つまり「人間は、いわばネコが自ら家畜化するのを、ただ好きなようにさせておいただけ」ということになる)。 

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4.なぜ、猫だけが人間によって「家畜化」されなかったのか?

研究者が「ネコはありのままで完璧だった」と指摘するように、野生動物としての猫は、そのまま、過去9000年間、人間が理想とする家畜として、必要かつ十分な能力を備えていた。実際に、猫は「人間に教えられなくても」、トイレにしろ、食事にしろ、あらゆる面で、人間の生活に順応した行動をとる。人間が嫌な思いをすると、それを避ける行動をとる。猫は「人間にとって非常に手間のかからない動物」だ。猫には、他の動物と違って、人間の本心を汲み取り、人間が求めていることを察して行動する知性がある。だから、猫だけは、他の動物と違って、過去9000年間、人間によって「家畜化」されなかった。人間にとって猫は、そもそも「家畜化」する必要が無い動物だったのだ。

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5.なぜ、猫は人間によって「家畜化」されなかったのに、猫は家畜になったのか?

研究者が「人間はネコが自ら家畜化するのを、ただ好きなようにさせておいただけ」 と指摘するように、猫は、自分から人間の家畜になったのだ。猫は、「人間に教えられなくても」、「穀物庫の番人役」(害獣・害虫ハンター)として自ら学んで人と暮らす道を選んだ。つまり、猫は、「人間に教えられなくても」、人間の判断基準(「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」)に合わせて自らの判断基準(「何が敵で、何が仲間か」)を決定してきた(共感力)。このように、猫は、自分から人間の家畜になったので、「人間にとって非常に手間のかからない動物」だったのだ。

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 6.「猫の知能は人間の3歳程度」だが、猫には「他の動物と違った知性」があった。

このように、過去9000年間の猫のDNA調査の結果、猫は、他の動物とは違って、人間が教えて家畜化したのではなく、自ら学んで人と暮らす道を選んでいたことが明らかになった。一般に「猫の知能は人間の3歳程度」と言われるが、猫には「他の動物と違った知性」があったのだ。人間の本心を汲み取り、人間が求めていることを察して行動する知性だ。

「知能」とは「もともと答えがある問いに対して答えを出す能力」に過ぎない。一方、「知性」とは「答えがはっきりしない問いに対して答えらしき何かを見出す能力」だ。

従って、あらかじめ決められた「作業」に要求されるのは「知能」であり、未知の「仕事」に要求されるのは「知性」と言われる。

「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」は、その時代・その地域の人間が必要に応じて作った区別にすぎない。そんな「人間サイドの決め事」は猫にとっては「未知」のことだ。しかし、あらかじめ人間がそれを教えてくれるわけではない。その時代・その地域に応じた「未知」の「人間サイドの決め事」に対して臨機応変に「答えらしき何か」を見出す必要がある。猫が「穀物庫の番人役」としての役目を果たすには、人間の判断基準(「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」)に合わせて自らの判断基準(「何が敵で、何が仲間か」)を見出していく必要がある。そこで求められるのは、単なる「知能」ではなく、未知の「仕事」に要求される高度な「知性」だ。 

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7.猫たちがカブトムシを襲わなかった理由も同じ

今回、猫たちがカブトムシを襲わなかった理由も同じだ。猫は、「人間に教えられなくても」、トイレにしろ、食事にしろ、あらゆる面で、人間の生活に順応した行動をとる。人間が嫌な思いをすると、それを避ける行動をとる。猫は、「人間にとって非常に手間のかからない動物」だ。猫には、他の動物と違って、人間の本心を汲み取り、人間が求めていることを察して行動する知性がある。今回も、猫たちは、人間の判断基準(”カブトムシは害虫ではなくペットだ”)に合わせて、自らの判断基準(”カブトムシは敵ではなく仲間だ”)を決定したのだろう。だから、猫たちは”人間に教えられなくても”、カブトムシを世話する人間の行動を見ただけで、”カブトムシは敵ではなく仲間だ”と理解できたのだろう。

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