カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

猫とカブトムシ①(猫たちがカブトムシを襲わなかった理由(「人類と猫」の歴史的視点から)「”人間に教えられなくても”、カブトムシを世話する人間の行動を見て”カブトムシは敵ではなく仲間だ”と理解した」)

「猫はカブトムシを襲ってしまうのでは?」そう疑問に思う人も多いだろう。

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1.猫の知能は、人間の3歳程度

一般に「猫の知能は、人間の3歳程度」と言われる。人間の3歳程度なら、カブトムシに悪戯(いたずら)をするのも無理はない。飼育ケースを倒したり、飼育ケースの中の昆虫マットをバラバラ広げたり、昆虫ゼリーを食べたり、カブトムシを咥(くわ)えて引っ張り出したり、いろいろと大変なことになる。

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 2.実際に猫たちと暮らしてみると「猫の知能は、人間の3歳程度」という考え方に違和感を感じ始める。
(1)今まで一度も、猫たちは家具や食器を倒した事が無い。
(2)今まで一度も、猫砂やティッシュをバラバラ広げた事が無い。
(3)今まで一度も、人間の食べ物や飲み物に手を出した事が無い。
(4)毎日ベランダで虫を追いかけるが、殺した事が無い。

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3、それでは、猫たちが実際にカブトムシを襲わなかった理由はなんだろう?
それは、人類と猫の歴史を振り返れば、理解できる。

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猫は、「穀物庫の番人役」(害獣・害虫ハンター)として人類に貢献してきた。

(1)約9,500年前の新石器時代

それまで他の動物と同じように狩猟生活を営んでいた人類の間に農耕が広まり始めた。収穫された穀物が保管されるようになるにつれてネズミやゴキブリが爆発的に増加した。そこで、穀物庫の番人役として猫が重宝されるようになった。

(2)紀元前4000年の古代エジプト時代

古代エジプトでは、猫は、ネズミやゴキブリなどの害獣・害虫がまき散らす疫病から人間を守る存在として、死後は家族の一員として丁重に埋葬された。やがてライオンの代わりとして崇拝され、バステト女神として神格化された。

(3)中世以降

中世ヨーロッパでもネコは「麦穂の精霊」と同一視され、中国でも「稲穂の精霊」とされていた。日本では奈良時代に、教典などの大事な書物をネズミから守る「益獣」(人間に利益をもたらす動物)として、中国から輸入された。

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(カブトムシを見に来た猫たち)

4、果たして、この「穀物庫の番人役」という仕事が「人間の3歳程度の知能」で務まるだろうか?

どんな動物でも、あらゆる動物や昆虫を敵に回すのは不可能だ。「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」、ある程度、選別したうえで行動しなければならない。しかし、「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」は、その時代・その地域の人間が必要に応じて作った区別にすぎない。そんな「人間サイドの決め事」を猫はどうやって理解したのだろうか?昔の人々は、猫に一々教えていたのだろうか?現代でもそんなことをする人間は居ないはずだ。大昔から猫は、人間に教えられなくても、人間の行動を観察して「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」、その時代・その地域の人間の必要性に応じて判断していたのだ。人間は「人間サイドの決め事」を猫に一々教えなくよいから、大昔から猫は人類に重宝されたのだろう。 

f:id:chart15304560:20180804093540j:plain(カブトムシは”敵”か”仲間”か、自問自答する猫たち)

5.今回、猫たちがカブトムシを襲わなかった理由も同じ

昔から、猫は、”人間に教えられなくても”、人間の行動を観察して「何が害獣・害虫で、何が益獣・益虫なのか」、その時代・その地域の人間の必要性に応じて判断していた。今回、”人間に教えられなくても”、猫たちがカブトムシを襲わなかった理由も、カブトムシを世話する人間の行動を見て”カブトムシは敵ではなく仲間だ”と理解したのだろう。

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(人間がカブトムシの世話をする様子を見つめる猫たち) 

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(人間がカブトムシの世話をする様子を見て「カブトムシは敵ではなく仲間だ」と理解した猫たち)