カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

カブトムシの飼育に伴う匂いの原因と対策(飼育ケースの中は天然素材で消臭し、部屋の中は即効性素材で消臭する)

 子供がカブトムシを採集してきても、カブトムシを部屋に入れるのを嫌い、庭先やベランダで飼育する家庭は多い。また、庭先やベランダに置いてある飼育ケースを安心して室内に持ち込めないという家庭も多いだろう。その理由としてよく挙げられるのは「カブトムシの飼育に伴う匂い」だ。部屋の中に匂いが移ると困るからだ。 

 1.匂いの原因(匂いの元)

「カブトムシの飼育に伴う匂い」の主な原因は以下の3つの「匂いの元」だろう。飼育ケースや昆虫マットに付着する匂いは、これらの匂いが合わさった匂いだ。

・カブトムシ自身の匂い(体臭、フェロモン)

・カブトムシの餌の匂い(腐敗臭)

・カブトムシの排泄物の匂い(排泄臭、腐敗臭)

 (1)カブトムシ自身の匂い(体臭、フェロモン)

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(カブトムシ自身の匂い(体臭)が気になる人は多い)

地中の蛹室の中の「カブトムシのサナギ」や「羽化間もないカブトムシ」は、骨格や内臓が成熟するまでの約1か月間、餌を食べず、排せつもしない。だから、体臭はほとんどない。しかし、骨格や内臓が成熟したカブトムシは、地上に出て飛び始める頃から、カブトムシ自身の匂い(体臭)を発散し始める。異性のカブトムシを誘引するフェロモンだ。成熟して交尾が可能なことを他の個体に知らせるのだ。

このカブトムシ自身の匂い(体臭)は、子供の頃からカブトムシに慣れ親しんでいる人にとってはあまり気にならない匂いだろう。しかし、そうでない人、特に女性にとっては「不快な匂い」と感じる人が多いのだ。

しかし、「匂いの元」がカブトムシ自身にある以上、カブトムシの体内から「匂いの元」を取り除いたり、カブトムシを直接消臭することは出来ない。

そこで、カブトムシ自身の匂い(体臭)が気になる場合は、飼育ケースの中は天然素材で消臭し、部屋の中は即効性素材で消臭するのが良いだろう。

 (2)カブトムシの餌の匂い(腐敗臭)

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(食べ残しの状況を見ながら、与える餌の分量を調整すると、清潔を保てる)

餌の匂い(腐敗臭)は、カブトムシが食べ残した餌を腐敗細菌が分解する際に発生する。従って、「匂いの元」である「カブトムシが食べ残した餌」を腐敗細菌が分解する前に、新しい餌に置き換えることが大切だ。「果実」と「昆虫ゼリー」では、腐敗速度が違うので、新しい餌に置き換える頻度が違ってくる。

①果実の場合(夜に与えたら、翌朝には回収する)

カブトムシに適している餌は、栄養価が高く、水分が多すぎない果実(リンゴやバナナ)だが、夏場は腐りやすい。リンゴやバナナの食べ残しのある状態で、高温の日中を迎えれば、腐敗が進み、その日のうちに悪臭を放つ。

そこで、果実(リンゴやバナナ)の餌を与える場合は、夜に与えたら、翌朝には食べ残しを全て回収するのが良いだろう。

②昆虫ゼリーの場合(数日おきに置き換え)

生の果実は腐りやすいので、今では、腐りにくい昆虫ゼリーを使用するのが一般的だ。黒糖や果汁を寒天でゼリー状に凝固させ防腐剤を入れた商品だ。しかし、防腐剤は腐りにくくするものだ。昆虫ゼリーが全く腐らないわけではない。また、食べ残しの昆虫ゼリーは崩れやすく昆虫マットを汚してしまう頻度も高まる。

そこで、昆虫ゼリーを与える場合も、2日置きには食べ残しを回収し、新しい昆虫ゼリーと置き換えるのが良いだろう。

(3)カブトムシの排泄物の匂い(排泄臭、腐敗臭)

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(毎晩カブトムシが食い荒らすと翌朝にはこうなる。匂いがする前の掃除は大切だ)

カブトムシの排泄物の匂い(排泄臭)は、カブトムシの餌を腸内細菌が分解する際に発生する。さらに、この排泄物を放置すると、腐敗細菌が排泄物を更に分解し、腐敗臭を発生させる。排泄臭と腐敗臭のダブルパンチだ。

毎朝、飼育ケースを観察すると、蓋や側面にはカブトムシのオシッコが沢山ついている。カブトムシは寝床の昆虫マットではなく飼育ケースの蓋や側面におしりを向けて排泄することが多い。

そこで、毎朝、飼育ケースの蓋や側面をウエットティッシュで一拭きするのが良いだろう。蓋の内側にコバエ防止用シートを挟んでいる場合は、このシートが蓋の代わりに汚れるので定期的に新しいコバエ防止用シートと置き換えるのが良いだろう。 

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(餌皿や枯葉をサッと水洗いし、飼育ケースの側面をウエットティッシュで一拭き)

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(最後に昆虫マットに霧吹き。するとヒノキの清涼感のある香りがベランダ中に漂う)

  2.飼育ケースの中の脱臭・消臭対策(天然素材「炭」「ヒノキ」を選ぶ)

飼育ケースの中の昆虫マットや転倒防止材には、「カブトムシ自身の匂い(体臭、フェロモン)」「カブトムシの餌の匂い(腐敗臭)」「カブトムシの排泄物の匂い(排泄臭、腐敗臭)」があわさった匂いが付着する。これらの匂いを一網打尽にするには、昆虫マットの素材や転倒防止材の素材に脱臭・消臭効果があればよい。

現在、多くの脱臭・消臭剤が販売されているが、飼育ケースの中に入れて安心なのは、やはり天然素材だ。「 脱臭」の天然素材の代表といえば「炭」である。また、「消臭」の天然素材の代表といえば「ヒノキ」である。そこで、

・転倒防止材には、「 脱臭」の天然素材の代表である「炭」を使う。

・昆虫マットには、「消臭」の天然素材の代表である「ヒノキ」を使う。

 (1)転倒防止材には、「 脱臭」の天然素材の代表である「炭」を使う

「 脱臭」とは空気中に漂っているニオイの粒子を物理的、化学的に取り除くことだ。炭は顕微鏡でみるとスポンジ状態で、無数の穴(孔)が空いている。この無数の穴(孔)が空気中の水分を吸収すると同時にニオイも吸い取ってくれるため、脱臭の効果を発揮する。

「 脱臭」は「消臭」と異なり、狭い空間で有効であるため、下駄箱や冷蔵庫で炭はよく使われている。家庭用商品では下駄箱や冷蔵庫用の「脱臭炭」が有名だ。

炭を転倒防止材として使うには、炭をさわった手が汚れないように、一度だけ炭を水で洗う必要があるる。この際、水道水から塩素を抜いた水(水道水をバケツに1日汲み置きした水)を使うと良いだろう。炭は水道水の塩素も吸収するが、この際、塩素は炭の無数の穴(孔)を塞いでしまう性質があるからだ。

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(飼育ケースの横には、100均の「置くだけ竹炭」を置いてみる)

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(飼育ケースの中には、転倒防止材として100均の「木炭」を置いてみる)

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(夜、昆虫マットから出てきたカブトムシは「木炭」を気に入ったようだ)

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(1匹目オス:サイズ小、羽化14日目、後食日7月14日、飛行後に後食、脱走経験あり)

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(2匹目オス:サイズ中、羽化9日目、後食日7月18日、飛行後に後食) f:id:chart15304560:20180722065711j:plain

(3匹目オス:サイズ大、羽化8日目、後食日7月20日、飛行後に後食)

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 (4匹目メス:サイズ小、羽化8日目、後食日7月21日、やはり羽化不全で飛行出来なかったようだが、ようやく餌を食べ始めた)

(2)昆虫マットには、「消臭」の天然素材の代表である「ヒノキ」を使う

「消臭」とは、空気中のニオイ粒子はそのままで、代わりに異なる香りを発生させることだ。ヒノキのヒノキチオールという木の油成分を発散させると、ヒノキの香り成分が消臭や防虫に効果を発揮する。

「消臭」は「 脱臭」と異なり、広い空間で有効であるため、部屋全体が対象だ。「猫砂」の代わりに「ヒノキ」を素材としたの猫トイレ商品が増えているのも、部屋全体から猫の排泄臭を消すためだ。

現在使用している昆虫マットは「コバエがいやがる昆虫マット」というヒノキの昆虫マットだ。実際に使用して2週間が経過したが、飼育ケースの蓋を開けるたびに、ヒノキの清涼感のある香りがベランダ中に漂う。毎朝別荘地に居るような清々しい気持ちにさせてくれるので、この夏一番のお気に入り商品だ。当初は、「コバエがいやがる」「抗菌」「ダニ抑制」の謳い文句に惹かれ購入したのだが、「消臭」だけでも購入する価値はあると思う。

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(カブトムシの寝床は、ヒノキの昆虫マット「コバエがいやがる昆虫マット」)

3.部屋の中(飼育ケースの外)の除菌消臭対策(即効性を選ぶ)

部屋の中(飼育ケースの外)の消臭対策では、天然素材にこだわる必要はない。人やペット(犬や猫)に無害・安全であることを前提に、即効性を選ぶべきだろう。

この点、現在、猫たちの排便後に使用しているペット用除菌消臭剤は非常に優れものだ。「バイオウィルクリア」という商品だが、猫たちの排便臭が驚くほど即座に消える。カブトムシ自身の匂い(体臭)など一瞬で消えてしまう。商品説明には「今まで除去する事が難しかった強力なウィルスさえ、5秒で除去します。また、食中毒菌、一般細菌類を瞬間的に除菌し、強力な耐性菌や真菌類についても15秒で除菌することが確認されています」とある。これが本当なら、少し高価だが画期的な商品だと思う。 

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 (猫たちの排便後に使用しているペット用除菌消臭剤「バイオウィルクリア」)

マルカン サムライフラット55 F-22

マルカン サムライフラット55 F-22

 

 

コバエがいやがる昆虫マット

コバエがいやがる昆虫マット