「羽化後間もないカブトムシ」の特徴と管理方法(骨格や内臓が十分に成熟していない)
「羽化後間もないカブトムシ」は「成熟した普通のカブトムシ」と同様に歩くことが出来る。また、「羽化後間もないカブトムシ」と「成熟した普通のカブトムシ」の外見上の違いは、ほとんどない。だから、「羽化後間もないカブトムシ」を「成熟した普通のカブトムシ」と一緒に飼育してしまい失敗してしまう事がある。
(カブトムシが飛ぶ姿を初めて見る猫たち)
1.「羽化後間もないカブトムシ」の特徴(骨格や内臓が十分に成熟していない)
「羽化後間もないカブトムシ」は、骨格や内臓が十分に成熟していない。そのため、「成熟した普通のカブトムシ」とは異なる特徴がある。
(1)よくひっくり返る、仰向けになる(体の内側を乾かすため)。
(2)餌を食べない(内臓が未熟で、まだ餌を食べることが出来ないため)。
(3)飛ばない(骨格が未熟で、まだ飛ぶことが出来ないため)。
(4)交尾しない(内臓が未熟で、まだ交尾することが出来ないため)。
このように「羽化後間もないカブトムシ」は、骨格や内臓が十分に成熟していない。地上に出ても、カラスの餌食になり易く、餌場に出ても、成熟したカブトムシとケンカをして致命傷を負い易い。
だから、自然界の「羽化後間もないカブトムシ」は、骨格や内臓が十分に成熟するまで、地中の蛹室の中に留まり、羽化2週目以降(羽化7日~10日後)にならないと地上には出てこない。
(地中に留まる「羽化後間もないカブトムシ」。食べない、飛ばない、交尾しない)
(仰向けになり、体の内側を乾かす「羽化後間もないカブトムシ」)
2.「羽化後間もないカブトムシ」の管理方法(「個別管理」)
(1)人工蛹室の中で引き続き個別管理(最も自然で管理が楽)
このように自然界の「羽化後間もないカブトムシ」は、骨格や内臓が十分に成熟するまで、餌も食べずに地中の蛹室の中に留まっている。それと同様に、「羽化後間もないカブトムシ」を人為的に管理する場合は、人工蛹室の中で、引き続き1匹ずつ管理するのが一番自然で管理も楽だろう。
(人工蛹室の中の「羽化後間もないカブトムシ」)
(2)透明な飼育ケースに入れて個別管理(特に注意すべき事)
長い期間をかけて大切に育てたカブトムシの幼虫だ。せっかく羽化したのだから、少しでも早く、透明な飼育ケースに入れてカブトムシを観察したいという気持ちも当然あるだろう。その場合、特に注意すべき事がある。決して、「羽化後間もないカブトムシ」を「成熟した普通のカブトムシ」と一緒にしない事だ。
①骨格や内臓が未成熟なオスは、成熟したオスとケンカして致命傷を負い易い。
②骨格や内臓が未成熟なメスは、成熟したオスと交尾して致命傷を負い易い。
また、「羽化後間もないカブトムシ」だけを同じケースにまとめて管理することも考えられる。しかし、この場合、管理が大変だ。羽化2週目(羽化7日~10日後)に入ったカブトムシから順番に、別の飼育ケースに隔離する必要があるが、カブトムシは外見が非常に似ているので特定が難しい(どれだかわからなくなる)。
従って、「羽化後間もないカブトムシ」を飼育ケースに入れて管理する場合も、1匹ずつ飼育ケースに入れて管理するのが一番自然で管理も楽だろう。
(飼育ケースに1匹ずつ入れられた「羽化後間もないカブトムシ」)
(3)カブトムシが十分に成熟したのかを確認する方法
①自然界の「羽化後間もないカブトムシ」は羽化後2週目(羽化7日~10日後)に入ると夜間、餌を求めて地上に出て飛び始める。同様に、飼育ケース内で飛び始めたら、それが餌を食べ始めるタイミングだ。そして、餌を食べ始めてから1週間後が交尾が可能になったタイミングだ。こうなれば、「成熟した普通のカブトムシ」と一緒にすることも可能だ。
②個体によっては「なかなか飛ばないカブトムシ」や「羽化不全で飛べなくなったカブトムシ」が存在する。そこで、羽化後2週目(羽化7日~10日後)に入ったら、まだ飛ばなくても、飼育ケース内には餌を用意しておいた方が良いだろう。
(羽化7日~10日後、飼育ケース内で飛び始めたら餌を与え始めるタイミング)