カブトムシの幼虫、さなぎの育て方2018年

虫好きな猫たちのために、ベランダでカブトムシの幼虫を育てる悪戦苦闘の物語

カブトムシの色の秘密②(「赤カブト」の割合は4匹に1匹、カブトムシの色(黒:茶:赤)の割合は遺伝法則が決定付ける)

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1.「赤カブト」は人気があるが、「黒カブト」「茶カブト」と比べて少ない

カブトムシの色は、「黒色」「茶色」「赤色」と様々だが、昔から、子供たちに人気が高いのが赤いカブトムシ、通称「赤カブト」だ。「黒カブト」「茶カブト」と比べて「赤カブト」を見かける機会が少ないからだ。

2.「赤カブト」が少ない理由(保護色として「黒色」や「茶色」に比べて不利)

「赤カブト」が少ない理由は、保護色として「赤色」は「黒色」や「茶色」に比べて不利だからだ。多く餌場が黒色や茶色であり、赤色の餌場が少ないため、カラス等の外敵から身を守る保護色としては「赤色」より、「黒色」や「茶色」を選択した方が有利なのだ。それでも「赤カブト」が存在する理由は、自然環境の急激な変化によって、将来「赤色」を選択した方が有利に働く可能性があるからだ(「種の多様性」)。そして、この「種の多様性」を維持する仕組みが遺伝法則だ。

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3.「赤カブト」の割合は、遺伝法則が決定付ける(4匹に1匹)

それでは、「赤カブト」の割合はどのくらいなのだろう。

(1)「優性の形質」は「黒」、「劣性の形質」は「赤」

カブトムシの保護色として、「赤色」は「黒色」や「茶色」に比べて不利に働く。そこで、「優性の形質」は「黒」、「劣性の形質」は「赤」とする。

(2)「優性の法則」

雑種第一代では「優性の形質」(黒)のみが現れ「劣性の形質」(赤)が現れない。

従って、黒カブト(純系)と赤カブト(純系)を交配させると、

(黒×赤)=黒カブトのみが雑種第一代では誕生する。

(2)「分離の法則」

雑種第一代では現れなかった「劣性の形質」(赤)が雑種第二代で分離して現れる。

従って、黒カブト(雑種第一代)同士を交配させると、

(黒×赤)×(黒×赤)=(黒×黒)、(黒×赤)、(赤×黒)、(赤×赤)。

従って、(赤×赤)=赤のカブトムシも雑種第二代では誕生する。

 ①(黒×黒)=黒カブト
 ②(黒×赤)=黒カブト
 ③(赤×黒)=黒カブト
 ④(赤×赤)=赤カブト

ここで、(黒×赤)=(赤×黒)= 茶カブトとすると、

 ①(黒×黒)=黒カブト
 ②(黒×赤)=茶カブト
 ③(赤×黒)=茶カブト
 ④(赤×赤)=赤カブト

従って、カブトムシの色の割合は黒:茶:赤=1:2:1となる。つまり、親が黒カブトであっても、「赤カブト」は、4匹に1匹の割合で誕生する(この割合は、現在飼育している4匹のカブトムシの色の割合と一致している)。このように「雑種」という「種の多様性」を通して、黒カブトの親も「赤」の遺伝子を子孫に引き継ぐのだ。

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